請求書のあれこれその2は「源泉徴収税」について。
今回も要点だけざっと知りたい方は漫画をどうぞ。
源泉徴収税とは
源泉徴収税の存在を初めて知ったのはアルバイトをしていた頃でした。振り込まれた給料が予想していた額より少なくて、明細を見たら元の金額から10%分引かれていた…!それが源泉徴収税でした。
源泉徴収税の仕組み
お金を稼いだら所得税を納めないといけませんが、その所得税を企業が個人の代わりに先に納めます。先に多く納めているので、確定申告すると還付金として本来納める所得税額との差額が戻ってきます。
源泉徴収税はなぜあるのか
これって何であるの?結局返ってくるなら別に無くていいじゃん!と思うかもしれません。
源泉徴収税がなぜあるのかと言うと…
- 日本の所得税は自己申告なので申告漏れがあるかもしれない
- 全国民の分をチェックするのも把握するのも現実的に無理
- 1年間通して税収を安定的に確保したい
だいたいこのような理由。
「フリーランスやフリーターは信用が無いから先に多く徴収してるんだよ」と昔知り合いが言っていたのですが、大雑把に言うとそういう事でもあるのかな〜と思いました。
源泉徴収税の計算方法
100万円以下…金額×10.21%
100万円超の部分…(金額−100万)×20.42%
10.21%は0.1021、20.42%は0.2042をかけるよ!
計算例
報酬50,000円の場合
50,000×0.1021=5,105
源泉徴収税額5,105円
報酬1,200,000円の場合
1,000,000×0.1021=102,100(A)
200,000×0.2042=40,840(B)
(A)102,100+(B)40,840=142,940
源泉徴収税額142,940円
端数の扱いについて
計算で出た1円未満の端数は切り捨てです。
源泉徴収の対象となる支払金額等に対して、所得税率と復興特別所得税率 の合計税率(Q5参照)を乗じて算出した金額について1円未満の端数を切り捨てた金額 を源泉徴収します。
出典:国税庁「復興特別所得税の源泉徴収のあらまし」
原則切り捨てとなっていますが、結構この計算を間違えている経理の方・税理士の方が多いらしいです。税務署の方が言っていました。
間違えていても特にこちらに影響がある事では無いのでまあ気にしなくて大丈夫です。
計算間違えで多く引かれていても、確定申告時に正しい所得税が計算されるから大丈夫
計算例2 請求書に消費税が別けて書いてある場合
請求書に消費税が明確に分かれて記載されている場合、税抜き金額に対して計算しても良いものとされています。
税込と税抜どちらにかけるかは支払い側が決めるので、会社によって計算方法が違ってきます。なので自分で計算する時に計算が合わない時等は税抜きで計算してみたら良いと思います。
これは支払われる側にはあまり関係ない事だけど、色々なパターンを知っておくと請求書の見方も解ってきて良いと思います。
請求書に源泉徴収税額を記載するか否か
請求書に源泉徴収税額の項目を設けて記載する場合もあるのですが、書かなくても大丈夫です。先方から指定されたフォーマットの時はだいたいが記載されている事が多いのかなと思います。
個人的には、請求書に源泉が書いてあると確定申告の時に計算が楽なので書いた物で統一したかったりもするのですが、前述の通り会社によって源泉徴収税額の計算が違うので先方に確認するのが面倒だったりするので私は書いていません。
相手の手間を増やしたく無いというのもある。
その2 まとめ
- 消費税が明確に分けてある場合、税抜きに対して計算ができる
- 計算方法は支払者が決める
- 1円未満の端数は切り捨てが正しい
- 確定申告時に正しくなるので、誤差は気にしなくて良い
源泉徴収税、以前は10%で切りの良い数字だったのですが(東日本大震災以降に復興特別所得税として0.21%増えました。)源泉徴収税を引いた額が希望額になるよう請求額をゾロ目にしてくれるクライアントさんが結構いました。
例えば3万の仕事の時に請求額を「33,333円」にして、10%の3,333円を引いたら丁度3万円になる…みたいな感じ。
懐かし…!!