模索中にっき

フリーランスなイラストレーターの生活

フリーランス・個人事業主は知っておいたほうが良い「下請法」

フリーランス・個人事業主と下請法

請求書の振込手数料の話で出てきた「下請法」について、知っている限りのことをまとめてみました。

※注意※イラスト・デザイン系の人向けの内容になりす。

下請法の適用条件

下請法はフリーランス・個人事業主なら誰しもに当てはまるわけではなく、適用条件があります。

  • クライアントの資本金が1000万超5000万以下で、自分の資本金が1000万以下である
  • かつ、取引内容が情報成果物作成である

この2つ両方に当てはまる場合、下請法が適用されます。イラストやデザインはこの「情報成果物作成」に当てはまります。

フリーランスと下請法 下請業者と親事業者の関係

この関係を下請け関係と言い、下請取引といいます。

相手の資本金は会社のホームページの会社概要等でほぼ確認できると思います。

殆どのイラストレーターやデザイナーは下請法が適用されると思いますが、仕事内容や関係性によっては適用外もあるかもしれません(各自調べてみてね!)

下請法違反いろいろ

請求書のあれこれで書いた振込手数料の事(下請代金の減額の禁止)以外にも「下請法」には禁止事項が色々あります。イラストやデザインに関係ありそうな物をあげてみました!

正当な理由無しに受取拒否をしてはいけない

こちらに責任が無いのに受取を拒否する事が禁止されています。
(4条1項1号:受取拒否の禁止)

例)
納品後にクライアントの都合でプロジェクトが中止になってしまった時に、成果物の受取を拒否する・イラストが必要無くなったから受け取らないなど。

幸いこういうのは遭遇したことまだ無いけど、この「正当な理由」が争点になるんだろうな……。

ギャラの支払いは納品から60日以内に!

報酬は納品後60日以内に振り込まなければ下請法違反となり、遅延した場合は年率14.6%の利息が発生すると定められています。
(4条1項2号:支払遅延の禁止)

ポイントは、検収日ではなく納品日から数えるというところだと思いますが、修正とか含めると何だか判断が難しいですよねこれ。

一応こうは決まってはいるものの……

出版系は守っていないところが結構あるのが現状だと思います。これまで納品から振込まで最長で半年後とかもありました。
郷に入れば郷に従えじゃないですが、出版社は慣例が多いみたいなのでその通りにしています。信用で成り立っているのが実際のところなのかなと。

下請法の意味・・・!

逆にIT系などは、契約や支払いサイクルがしっかり決まっているところが多い傾向(私調べ)

発注後に値引きしちゃだめ!

発注した後に「予算が減った」とか「売上が見込めないから」とかで値引きをすることも禁止されています。
(4条1項3号:下請代金の減額)

買い叩いちゃだめ!

著しく低い額で買い叩いてはダメというやつ。これまで5000円で請けていた仕事があったとして、次の発注時に「予算が減っちゃったので2000円でやって」みたいな事はしちゃだめだよみたいな感じ。
(4条1項5号:買いたたきの禁止)

これ、私たまにあります。でも値引きの金額的にそれが買いたたきに当たるのかどうかちょっと判断がつかないな〜。
「著しく低い額」って果たしてどれくらいなんだろう。イラストの場合この辺が更に判断難しそう。

不当に修正させちゃだめ!

指示通りに描いたのに、予定や方向性・方針が急に変更になったとかで無償で修正させる行為も禁止されています。
(4条2項4号:不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止)

こちらに責任が無いのに発注内容を変更・取り消しにしたり、受領後にやり直しを無償でさせちゃだめだぞっていう事ですね。

てか、ビジネスの基本的な事ばっかり!これらを厳守している企業の信頼度ったらない

発注側の義務

禁止事項の他に親事業者である発注側には義務も定められています。

書面で依頼しなければならない

口約束の依頼の禁止ですね。発注側にはイラストレーター側に注文書、発注書などを交付する義務があるのです(3条:書面の交付義務)

メールで依頼する場合も事前にこちらの承諾が必要になります。

と、決まってはいるものの……

やはりこれもメールのみの依頼が殆どで、発注書をもらえない事が結構あります。と言うか多いのでは…?
これは仕事の媒体にもよるのかもしれませんが、特に出版系は半分近くの会社が発注書無しのまま依頼となっていたり。

これは私の場合ですが、イラストの発注に慣れていない企業が相手の時だけ、きちんと発注書の発行を先方にお願いしています。

頑なに法律通り!というのではなく、不利益が生じないレベルで柔軟でいたいと思っています。

発注側の義務は他にも「支払期日を定める義務」などがありますが割愛。

違反をする酷い企業に遭遇してしまった時は

下請法違反の酷い扱いをされて困った時はどうしたらいいのか?

そんな時は、公正取引委員会に通報!しちゃおう…!

下請法違反は公正取引委員会に通報!

不定期に書面で調査の手紙が直接来たりもするのですが、通報は公正取引委員会のサイトからもできます(匿名で通報可能)

www.jftc.go.jp

通報すると調査が入り問題があれば勧告(行政指導)となるようです。
因みに相談窓口ではないので、できるのは申告だけです。改善しない事もあるかもですが酷い相手だった時などは通報することで気が静まったりします。笑

いや、相談がしたいんだ!!という時は

不利益を被り過ぎて申告じゃなく相談がしたい!という時もあるかもしれません。そんな時は、中小企業庁の下請かけこみ寺に相談したら良いっぽい!

フリーランスの相談窓口 中小企業庁 下請かけこみ寺

幸いな事に相談した事が無いのでどんな感じなのか不明ですが、中小企業庁にこういった相談窓口がちゃんとあるようです。

www.chusho.meti.go.jp

下請関係に当てはまらない場合も例外がある?

これは昔本で読んだので記憶が曖昧のため正確な話ではないのですが、

クライアントが1000万以下の企業だったとしても、例えばそのクライアントと大元の発注主である企業(1000万以上の企業)との関係性によっては適用される場合もあるかもしれないので、困った時は諦めずにとりあえず相談してみた方が良いと思っています。

一番は相談しなきゃいけなくなるような事態に遭遇しない事を願うばかりですが…!

イラストレーターと下請法まとめ

  • 殆どのイラストレーターやデザイナーは下請法が適用される
  • 違反でもそのままなのが実状
  • 酷いところは公正取引委員会に通報
  • 相談するなら下請かけこみ寺へ

下請法についてもっと詳しく知りたい方は、公正取引委員会の「下請法とは」をどうぞ。

www.jftc.go.jp

初めて下請法の存在を知った時は「なーんだちゃんと法律で色々決まっているんじゃん!!」と思いました。
フリーランス、自分の主張や考え方は正しいのか不安になる事が多いですがそんな時に法律があると安心だし心強いです。

知っているのと知らないのとでは心持ちも変わってくると思うので、日比勉強あるのみですね。